現在の保育園でこのまま働き続けるのか。転職を考え悩んでいる保育士の方も多いのではないでしょうか。職場の人間関係や仕事量の多さを理由に退職を考える方が多いようです。今回は保育士の退職理由として多いものをご紹介すると共に、どのように退職理由を現在勤めている保育施設や保護者の方に伝えると良いのか、また転職先では面接でどのように説明すれば良いのかをご紹介いたします。
保育士の主な退職理由3つ
退職や転職を考えることは多いかと思いますが、実際に退職を決断するとなるとすぐには決められないですよね。他の人はどのような理由で決断しているのか気になるという方が多いのではないでしょうか。
退職に至る理由は個人によってさまざまですが、ここでは結婚や妊娠・出産などを除いて特に退職を決断する際に多い3点をご紹介いたします。
職場の人間関係
人間関係で悩んでいる保育士の方はとても多いのではないでしょうか?
保育園の場合はクラス運営など小さな組織の中で仕事を行うことが多いため、保育に対する価値観の違いや気が合わないといった人とも仕事をしなければならない可能性が高いです。
そして、まだまだ女性が多い職場がほとんどであるため、感情のもつれが原因で人間関係のトラブルに発展してしまうケースも珍しくはありません。
職場の雰囲気が悪いという理由で退職を決意する方が非常に多いのが現状です。
また保護者の方とのコミュニケーションも重要な保育士の仕事と言えますが、価値観の違いや、対応のミスなどで関係が悪化するといったこともあるかもしれません。
問題が解決できれば良いのですが、上手く解決できず保育士が精神的に辛くなったり、身体を壊してしまうということもあります。
仕事量の多さ
常に人手不足と言われている現場が多い保育士の仕事は、一人の保育士に大きな負担がかかりやすいお仕事といえます。保育園のお仕事は子どもの保育だけではなく、保護者の方への懇談やお便りなどの作成、イベントの準備など非常に多岐にわたります。
そのため常に仕事に追われている状態となってしまう方も多いのではないでしょうか。
残業をしなくてはならない状態となったり、延長保育などで勤務時間が日々長くなってしまうなど身体的にも、精神的にも負荷となる仕事量は退職を決意する大きな要因に繋がりやすいです。
保育園の方針と合わない
職場の保育方針に納得できず、働き続けることが厳しいと考える方も多いのではないでしょうか。園長や主任など保育園の責任者の立場は、園を運営する立場で物事を見ているため、現場の保育士と考え方の違いでぶつかるということも少なくありません。
コミュニケーションをしっかりと取ることができず、保育士の立場だと言いにくいというということもあるでしょう。
保育方針や考え方、立場の違いなどにより理解を示すことができず、退職を決意することに繋がりやすいといえます。
【保育士向け】退職理由をポジティブに伝えるには?
退職を決断したら、まずは退職するタイミングを選ぶ必要性があります。基本的には退職希望日から3ヶ月前を目安に伝えることがベストです。
できるならば区切りなども良い年度末の配置が変わる時期に退職するのが円満退職となりやすく一番良いタイミングといえます。
しかし体調が優れないなど年度末までは待てず、年度途中での退職を希望している場合はイベントが終わった後など保育園が少し落ち着いている時に伝えるようにしましょう。
保育園に対して
まず退職を決めたら主任保育士さん、園長先生に伝えましょう。
保育園側に伝える際に大切なポイントは大きく2点です。
- ポジティブな表現を使う
- 自分都合の退職理由を伝えること
嘘をつくのはあまりよくはないので、あくまでネガティブな内容であっても変換して伝えるようにすることが大切です。
ポジティブな表現を使う
理由をそのままストレートに伝えたいという方もいらっしゃるとは思いますが、例えば「残業が多く仕事量が多すぎるので退職したい」と園長先生に率直に伝えた場合、関係が悪化し、退職日までの勤務がしにくくなってしまう可能性があります。
まずは退職を決定し、勤務最終日が決まるまでは相手にとって受け取りやすい言葉で伝えることを心がけましょう。自分自身が退職した後も、他の保育士の方が働き続けるため、言葉の選び方を丁寧にすることが大切です。
自分都合の退職理由を伝える
解決できる内容かも、と思われると引き止められる可能性が非常に高いです。
例えば「残業が多くて」といった場合は残業しないように仕事を精査しようとなったり、「人間関係が悪くて」という場合は、配置を変えるや相手の人と面談するなどの対応をとってくださることも少なくありません。
本当にそれで解決すれば良いと思いますが、すでにここを離れると退職を決断している場合、他人には解決できない自分都合の退職理由を話すのも良いかと思います。
「様々な経験をさせていただき非常に嬉しく思っております。ただ私自身オンとオフの切り替えが上手にできず、体調を崩してしまう日が増えてきております。今の状態では保育に集中することができないため、今年度末で退職させていただきたいです。」
保育園側が受け取りやすい言葉で伝えられると話がスムーズに進みやすいです。
保護者に対して
保育園内の一緒に働いている方々全員に退職のお話ができたあとに、最後に伝えるのが保護者と園児の皆さんです。
保護者の皆さんに伝える際に大切なポイントは大きく2点です。
- 直接挨拶を行う、かつ全員に伝える
- 退職理由は簡潔に。感謝を伝える。
伝え方が上手くできない場合、トラブルとなってしまう場合もありますので、自分の言葉で全員になるべく一斉に伝えることを心がけましょう。
直接挨拶を行う、かつ全員に伝える
保護者の皆さんにもなるべく直接、自分の言葉で伝えられると良いです。保護者会があれば全員の前で一斉に最後に伝えるのも良いでしょう。もしくは送り迎えなどでのちょっとした時間で伝えるというのもありです。
ただ中々全員に挨拶をするのは難しいですよね。そこで改めてクラスだよりなどの書面で退職する旨を伝えられると非常に丁寧で全員に自分の言葉で伝えることができます。
丁寧な印象も与えることができるのでお勧めです。
退職理由は簡潔に。感謝を伝える。
退職理由を詳細に伝える必要はないので、退職理由に関しては「一身上の都合で」「家庭の都合で」など簡潔にして伝えれば問題ありません。伝え方によっては園のことを悪く言っているように感じられてしまったり、これからも通い続ける保護者の方の不安を煽る可能性もあります。
もし保護者の方から個別に理由を聞かれた場合も園に対してネガティブなイメージとならないように伝えましょう。
そして退職理由よりも大切なことは感謝の気持ちを伝えることです。子どもを預けていただいたことに対する感謝の気持ちを述べるようにしましょう。
「この度家庭の都合で退職する運びとなりました。
〇〇組の担任としてたくさんの学びや刺激をもらうことができました。大切なお子様を預けていただけたこと、大変嬉しく思っております。
至らない点も多くご迷惑をおかけしたこともあったかもしれません。そのような中でも皆様の温かいご支援のおかげで毎日楽しく子どもたちと向き合うことができました。
本当にありがとうございました。」
もし年度途中で退職をする場合は、担任が途中で変わってしまうことに対する謝罪と、後任の保育士さんにきちんと仕事を引き継いでいることを説明しておくと保護者の方も安心できますよ。
【保育士向け】転職活動での退職理由のポジティブな伝え方
転職をする際に、必ず前の保育園を退職した理由を聞かれます。
その際に退職理由を面接官に伝える際の大きなポイントは下記2点です。
- 嘘をつかないこと
- 事実を言葉を選んで、言葉を足して伝えること
面接官に良い印象をもってもらうことが非常に大切ですのでぜひポイントを抑えましょう。
嘘をつかないこと
あたり前だと思うかもしれませんが、退職した理由をごまかすために咄嗟に嘘がでてしまうことはないとは言えません。他の面接官に聞かれたり、数回の面接で軸がぶれてしまい発言内容が違うとなると辻褄が合わず嘘だとバレてしまう可能性があります。
信頼にも繋がりますので、やめた理由はごまかさないようにするのが良いでしょう。
言いにくい理由であっても、言葉を選んで伝えることができれば問題ありません。
事実を言葉を選んで、言葉を足して伝えること
事実を伝えることは非常に大切ですが、そのままストレートに伝えてしまうとネガティブなイメージを面接官があなた自身に感じるという場合もあります。
そのため、ただ事実を伝えるのではなく言葉を言い換えたり、自分はこういう努力をしていたなど勝手にイメージをつけられないように言葉を足す必要があります。
「前の職場では、上司の決定したことしかできないという状況でした。クラス担任である私の意見は聞いてはもらえず、意見が通りませんでした。私は自分もしっかりと意見を発言したり交換すること成長に繋げたいと考え転職を決意しました。」
ただ保育園の方針に合わなくて、上司があわなくて、と事実を伝えるよりも自分の気持ちや熱意まで理解してもらえます。
全てを詳しく伝える必要もありませんのでまずは簡潔に伝えましょう。そして面接官から質問があった場合には詳しく話すようにできると相手が興味をもってくれますよ。
まとめ
退職理由は人それぞれです。結婚や出産といったポジティブなものよりも、人間関係や労働環境などネガティブな要因の方が多いかもしれません。
しかし保育園や保護者の方にお世話になったことがない方はいらっしゃらないはずです。
今まで関わりがあった方に向けて配慮やマナーを忘れずに、上手に伝えて円満な退職を目指しましょう。
そして転職活動をする際には、ただ事実を伝えるのでなく自分をポジティブに受け取っていただけるように言葉を選んで伝えましょう。そのためにもしっかりと自分が退職した理由などを準備して挑むことをお勧めします。